第19回 椅子のお話
ピアノを弾く際に必ず座ることになるのが、椅子。
ピアノを長く続けていくためには、椅子選びもとても大切だと言われています。
■たかが椅子、されど椅子。
ピアノの練習をしている時は、椅子の上に長時間座ったままです。そして、どんな椅子に座るかで、ピアノを弾く際の姿勢や弾き方、ピアノの音色、さらに腰や腕など体への負担の度合いにも影響してきます。
正しい姿勢になりにくい椅子をつかっていると、腰痛や腱鞘炎などの原因にもなってしまいますから、決して軽視はできないものです。
本格的に取り組むのであれば、1日4時間も5時間も弾くこともあるかと思います。趣味でピアノをやっているという場合でも、椅子選びはしっかりしたほうが、将来的な体の故障の可能性も少なくすることができます。
■こんな椅子はNG
・高さ調整ができない普通の椅子
ダイニングやキッチンにある手近な椅子は、高さ調整できないものがほとんど。ピアノ演奏に適していて、自分の体にも合っているというものはほとんどありません。
・オフィス用の高低自在椅子
座り心地や高さ調整のしやすさはよいですが、車輪がついているものは不安定なのでキケンです。
■ピアノ用椅子は背もたれ付きと背もたれなしの2種類
やはりピアノを弾くには、ピアノ専用に作られた椅子を用意するのが一番よいとされています。ピアノ専用イスは、背もたれが付いているものと背もたれがついていないものの2つの種類に分けられます。
●背もたれ付きの椅子 http://goo.gl/4TvtrS
家庭用や音楽室、ピアノ教室など最もスタンダードで一番普及しているものかと思います。つまみを使って簡単に高さ調整ができますし、一息ついて背もたれに寄りかかって休めたりもします。
生徒が次々入れ替わる教室や発表会会場など、頻繁に高さ調整が必要になる場面で活躍するタイプです。
ただ、座面のクッション性が低いので、長時間座り続けるのには向かないところがあります。
●背もたれなしの椅子 http://goo.gl/DIQCFi
その点で言うと、レザー張りの背もたれなしのものは、大きくて平たく、座り心地がよくなっています。
クッション性が高くて体に優しいだけでなく、活発な動きにも力学的に耐えられる設計で作られています。長時間弾くのに理想的な作りだと言われており、コンサートホールなどもこのタイプが多いですね。
このタイプは椅子の両横にドアノブのようなハンドルがついていて、それを回すことで高さを調整します。
細かな微調整もできますので、十分利便性が高いですが、つまみ式のものより時間がかかるという難点もあります。お値段的にもこちらのほうが高いです(^^ゞ
とはいえ、長くピアノと付き合っていくのであれば、ピアノ専用の椅子を選ぶということも体をいたわりながら楽しみつづける秘訣の一つになるのではないかなと思います。
今回は以上です。
長文をお読みいただきありがとうございました。