第13回 イメージを大切に
レッスンのときによく言われるのが、
イメージを大切にしましょう、という言葉。
音楽は音の振動という物理的なものを
聴覚から感覚的に捉えてイメージして感じるものですから、
音楽的なイメージ力が大切だということも
なんとなくわかると思います。
音楽を聴く時を考えてみると、自然の情景を思い描いたり、
昔の思い出と重ねあわせたり、音から連想される喜怒哀楽だったり、
音楽を聞きながら色々なイメージを巡らせているかと思います。
また、同じ曲でも、聞く時の心の在り方によって、
聞こえ方が変わってきたりもしますね。
そして、こうした音に対して感じるイメージは、
聞くときだけではなく、演奏するときにも
機械的に音を並べるのではなく、音楽として表現豊かに
演奏するために、とても重要になるわけですね。
●自然を意識する
演奏に際してよくアドバイスされるのが、
自然を意識しましょうということです。
そよ風が吹いている
嵐のような激しい風が吹いている
水の波紋が広がっている
落ち葉がヒラヒラと落ちてきている
ぽかぽかした日差しが指している
などなど、自然界の表現をイメージすると、
ピアノの表現もグッと良くなることがよくあります。
それは、加速や減速、クレッシェンドやデクレッシェンドなどが
自然に流れる音の法則にも当てはまるものだからではないでしょうか。
穏やかな天気の時に、いきなり竜巻は起きませんし、
水滴を垂らしただけでコップの水が溢れだしたりもしません。
同じように、ゆったりした曲の中で
いきなりゴツンとした音が出たたりしたら不自然ですよね。
やはり音楽でも、曲の天気にあった
感情や情景や自然の動きを意識すると、
表現の仕方もより曲に適したものにできるかと思います。
これはほんの一例ですが、
自然からヒントを得て音楽に応用出来ることは
たくさんあると思いますので、
普段から意識するようにしてみてくださいね。
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