第14回 エチュード(練習曲)について(1)
ピアノで音を出すパターンは、次の7つの要素にわけられます。
1 同音連打
2 トリル
3 音階(スケール)
4 跳躍
5 分散和音(アルペジオ)
6 重音
7 和音
これらの要素を偏りなくしっかり身につけておくと、
いろいろなアプローチが出来るようになるので、
ピアノ作品を弾くことがぐっと楽になります。
そして、これらのテクニックを体系的に修得できるよう
まとめられているのがエチュード(練習曲)と呼ばれるものです。
ハノン、バイエル、ツェルニー、ブルグミュラーなど
いろいろなものが出ていますね。
機械的な指の訓練から、音楽的な作品として
表現力も磨かなくてはいけないものまでたくさんあります。
ピアノを習い始めて練習を進めていくと、
やはりどうしても技術的な壁にぶつかることがあるかと思います。
特に大人になってから始めた方の場合は、
これまで使ってこなかった手や腕の筋肉を
同時に鍛えないかなければいけませんから、
その頻度も多くなるかもしれません。
そうしたときに、普段からエチュードをしっかりやっておくだけで、
壁を乗り越えることをグッと楽にすることができます。
なかでも音階、アルペジオ、三度、六度といった基本のパターンは、
どんな曲にも出てくるものですので、
普段からしっかりトレーニングしておきたいものです。
ですが問題が一つ。
こうした訓練は、曲を弾くことに比べて格段につまらなかったりします(^_^;)
もちろん、基本的な技術だけをひたすら練習すれば、
上達スピードもあがるかもしれませんが、
下手をするとピアノを楽しむどころか
苦行のようなものになってしまうかもしれません。
なので、練習できる時間の内、
エチュードを半分、好きな曲の練習を半分というように、
バランスを整えるようにするのがいいと思います。
私がよくやっていたのは、2時間練習できるとしたら、
始めの1時間にハノン、ツェルニー、バッハの小品をエチュードとしてやり、
残りの1時間でレッスンで見てもらっている曲と
普段から好きで弾いている曲を好きなように弾く、という割り振りです。
最初の1時間でエチュードをやっておくと指の調子が整うので、
後半の作品練習も調子が良くなって気持ちよく弾けるという
良いパターンにすることができていたかと思います。
ぜひこういった自分にとってのいい時間配分を
見るけるようにしてみてくださいね。